いまさら聞けない!産業廃棄物ってなに?
こんにちは。群馬県で産業廃棄物収集運搬業許可をメインで扱っているキキララ行政書士事務所の石原です!
今回は産業廃棄物収集運搬業許可の基礎知識となる産業廃棄物についてお話しします!
さ、産業廃棄物ってなんだにゃ??
産業廃棄物の基本的なことについてわかりやすく説明するね!
廃棄物とは?
そもそも、廃棄物とは「ごみ」のことをいいます。
廃棄物の中でも大きく分けて「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に大きく分類されます。
ここでは、産業廃棄物と一般廃棄物の違いについても詳しく説明していきます。
産業廃棄物とは?
産業廃棄物とは、事業活動によって発生した廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物のことをいい、20種類あります。
産業廃棄物名 | 内容 | 具体的例示 |
---|---|---|
燃え殻 | 事業活動に伴い生ずる石炭がら、灰かす、焼却残灰、炉清掃排出物等 | 石炭がら、灰かす、廃棄物焼却灰、炉清掃排出物、コークス灰、重油燃焼灰等 |
汚泥 | 工場排水等の処理後に残る泥状のもの及び各種製造業の製造工程において生ずる泥状のもので、有機性及び無機性のすべてのもの | 1.有機性汚泥:製紙スラッジ、下水汚泥、ビルピット汚泥(し尿の混入しているものを除く)、洗毛汚泥、消化汚泥、活性汚泥(余剰汚泥)、糊かす、うるしかす 2.無機性汚泥:浄水場沈でん汚泥、中和沈でん汚泥、凝集沈でん汚泥、めっき汚泥、砕石スラッジ、ベントナイト泥、キラ、カーバイドかす、石炭かす、ソーダ灰かす、ボンデかす、塩水マッド、廃ソルト、不良セメント、不養生コンクリート、廃触媒、タルクかす、柚薬かす、けい藻土かす、活性炭かす、各種スカム(油性スカムを除く)、廃脱硫剤、ニカワかす、脱硫いおう、ガラス・タイル研磨かす、バフくず、廃サンドブラスト(塗料かすを含むものに限る)、スケール、スライム残さ、排煙脱硫石こう、赤泥、転写紙かす等 |
廃油 | 鉱物性油及び動植物性油脂すべての廃油 | 潤滑油系廃油(スピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、焼入油、タービン油、マシン油、エンジン油、グリース等)、切削油系廃油(水溶性、不水溶性)、洗浄油系廃油、絶縁油系廃油、圧延油系廃油、作動油系廃油、その他の鉱物系廃油(灯油、軽油、重油等)、動植物油系廃油(魚油、鯨油、なたね油、やし油、ひまし油、大豆油、豚脂、牛脂等)、廃溶剤類(シンナー、ベンゼン、トルエン、トリクロロエチレン、バークロルエチレン、アルコール等)、廃可塑剤類(脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル等)、消泡用油剤、ビルジ、タンカー洗浄排水、タールピッチ類(タールピッチ、アスファルト、ワックス、ろう、パラフィン等)、廃ワニス、クレオソート廃液、印刷インキかす、硫酸ピッチ(廃油と廃酸の混合物)、廃PCB、廃白土、タンクスラッジ、油性スカム、洗車スラッジ(廃油と汚泥の混合物)等 |
廃酸 | 廃硫酸、廃塩酸、有機廃酸類をはじめとするすべての酸性廃液。中和処理した場合に生じる沈でん物は汚泥として取り扱う。 | 無機廃酸(硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸、スルフォン酸、ホウ酸等)、有機廃酸(ギ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸等)、アルコール発酵廃液、アミノ酸発酵廃液、エッチング廃液、染色廃液(漂白浸せき工程、染色工程)、クロメート廃液、写真漂白廃液等 |
廃アルカリ | 廃ソーダ液をはじめとするすべてのアルカリ性廃液。中和処理した場合に生ずる沈でん物は汚泥として取り扱う。 | 洗びん用廃アルカリ、石炭廃液、廃灰汁、アルカリ性めっき廃液、金属石けん廃液、廃ソーダ液、ドロマイト廃液、アンモニア廃液、染色廃液(精錬工程、シルケット工程)、黒液(チップ蒸解廃液)、脱脂廃液(金属表面処理)、写真現像廃液、か性ソーダ廃液、硫化ソーダ廃液、けい酸ソーダ廃液、か性カリ廃液等 |
廃プラスチック類 | 合成高分子系化合物に係る固形状及び液状の全ての廃プラスチック類 | 廃ポリウレタン、廃スチロール(発泡スチロールを含む)、廃ベークライト(プリント基板等)、廃農業用フィルム、各種合成樹脂系包装材料のくず、合成紙くず、廃写真フィルム、廃合成皮革、廃合成建材(タイル、断熱材、合成木材、防音材等)、合成繊維くず(ナイロン、ポリエステル、アクリル等で混紡も含む)、廃ポリ容器類、電線の被覆くず、廃タイヤ、ライニングくず、廃ポリマー、塗料かす、接着剤かす等 |
※紙くず | 1.建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る) 2.パルプ、紙又は紙加工品製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る)に係るもの 3.出版業(印刷出版を行うものに限る)に係るもの 4.製本業及び印刷物加工業に係るもの 5.PCBが塗布され、又は染み込んだもの | 印刷くず、製本くず、裁断くず、旧ノーカーボン紙等、建材の包装紙、板紙、建設現場から排出される紙くず等 |
※木くず | 1.建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る) 2.木材又は木製品製造業(家具の製造業を含む)に係るもの 3.パルプ製造業及び輸入木材の卸売業に係るもの 4.物品賃貸業に係るもの 5.貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積み付けのために使用した梱包用の木材を含む。) 6.PCBが染み込んだもの | 建設業関係の建物、橋、電柱、工事現場、飯場小屋の廃木材(工事箇所から発生する伐採材や伐根を含む)、木材、木製品製造業等関係の廃木材、おがくず、バーク類、梱包材くず、板きれ、廃チップ、物品賃貸業に係る廃木製家具類、貨物の流通に係る木製パレット等 |
※繊維くず | 1.建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る) 2.繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く)に係る天然繊維くず(合成繊維は廃プラスチック類) 3.PCBが染み込んだもの | 木綿くず、羊毛くず、麻くず、糸くず、布くず、綿くず、不良くず、落ち毛、みじん、くずまゆ、レーヨンくず等、建設現場から排出される繊維くず、ロープ等 |
※動植物性残さ | 食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物 (魚市場、飲食店等から排出される動植物性残さ又は厨芥類は事業活動に伴って生じた一般廃棄物) | 1.動物性残さ:魚・獣の骨、皮、内蔵等のあら、ボイルかす、うらごしかす、缶づめ、瓶づめ不良品、乳製品精製残さ、卵から、貝がら、羽毛等 2.植物性残さ:ソースかす、しょうゆかす、こうじかす、酒かす、ビールかす、あめかす、糊かす、でんぷんかす、豆腐かす、あんかす、茶かす、米・麦粉、大豆かす、果実の皮・種子、野菜くず、薬草かす、油かす等 |
※動物系固形不要物 | と畜場においてとさつし、又は解体した獣畜及び食鳥処理場において食鳥処理した食鳥に係る固形状の不要物 | と畜場において処分した獣畜、食鳥処理場において処理した食鳥 |
ゴムくず | 天然ゴムくず(合成ゴムは廃プラスチック類) | 切断くず、裁断くず、ゴムくず、ゴム引布くず(廃タイヤは合成ゴムなので廃プラスチック類) |
金属くず | 鉄くず、空かん、スクラップ、ブリキ・トタンくず、箔くず、鉛管くず、銅線くず、鉄粉、バリ、切削くず、研磨くず、ダライ粉、半田かす、溶接かす等 | |
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず | 1.ガラスくず:廃空ビン類、板ガラスくず、アンプルロス、破損ガラス、ガラス繊維くず、カレットくず、ガラス粉、 2.コンクリートくず:製造過程等で生じるコンクリートブ ロックくず、インターロッキングくず 3.陶磁器くず:土器くず、陶器くず、せっ器くず、磁器く ず、レンガくず、断熱レンガくず、せっこう型、レンガ破 片、瓦破片等 4.せっこうボード | |
鉱さい | 高炉・平炉・転炉・電気炉からの残さい(スラグ)、キューポラ溶鉱炉のノロ、ドロス・カラミ・スパイス、不良鉱石、粉炭かす、鉱じん、鋳物廃砂、サンドブラスト廃砂(塗料かす等を含むものを除く)、焼却灰の溶融固化物 | |
がれき類 | 工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた各種廃材 | コンクリート破片、アスファルト破片、その他これに類する各種廃材等 |
※動物のふん尿 | 畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物のふん尿 | 牛、馬、豚、めん羊、山羊、にわとり、あひる、がちょう、うずら、七めん鳥、兎及び毛皮獣等のふん尿等 |
※動物の死体 | 畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物の死体 | 同上の家畜の死体 |
ばいじん | 大気汚染防止法第2条第2項に規定するばい煙発生施設又は汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、産業廃棄物である紙くず(PCBが塗布され又は染み込んだもの)、木くず(PCBが染み込んだもの)、繊維くず(PCBが染み込んだもの)若しくは金属くず(PCBが付着し、又は封入されたもの)の焼却施設において発生するばいじんであって、集じん施設によって集められたもの | 電気集じん機捕集ダスト、バグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダスト等 |
法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物 | 産業廃棄物を処分するために処理したものであって、以上の産業廃棄物に該当しないもの | 有害汚泥のコンクリート固形物 |
20種類の廃棄物の中にも、事業活動の業態等により、産業廃棄物になるものとならないものに分類されます。
産業廃棄物は、自治体が回収する一般廃棄物とは違い、管理方法が非常に厳しくなっています。
一般廃棄物とは?
一般廃棄物とは、上記の産業廃棄物以外のものです。
一般廃棄物の中にも、一般家庭の日常生活に伴って生じた廃棄物の家庭廃棄物と、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち産業廃棄物以外の廃棄物を事業系一般廃棄物といいます。
つまり、一般廃棄物も家庭用廃棄物と事業系一般廃棄物に分類されています。
産業廃棄物の種類
産業廃棄物の中にも、業種限定といわれる「紙くず・木くず・繊維くず・動物性残さ・動物系固形不要物・動物のふん尿・動物の死体」の7種類があります。
これらは、特定の事業者から発生した場合のみ産業廃棄物と判断されます。
たとえば、紙くずは建設業、出版業、製本業等から発生した場合にのみ産業廃棄物となります。
したがって、事務所からでる紙くずは、産業廃棄物収集運搬業で扱う「紙くず」には該当しません。
産業廃棄物ってこんなに細かく分かれてて複雑なんだにゃ~
産業廃棄物は細かく分かれてて複雑だから、すべてを正確に把握するのは難しいよね。
どの産業廃棄物で許可の取得をしたらいいかわからないときは、当事務所までご相談ください!
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この記事の監修
【キキララ行政書士事務所】 代表/行政書士
石原 映璃香(いしはら えりか)
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